三谷幸子先生が天に召されました

 今しがた、新垣勉さん(テノール歌手)から電話があり、三谷幸子先生が土曜日の晩に天に召されたとのこと。昨日は召されたことを知らなかったので、聖日礼拝の説教で、三谷幸子先生のことを証ししたばかり、でした。三谷幸子先生は、「ただ信ぜよ」の三谷種吉先生(バックストンの弟子)の娘さんで、「賛美の精神」を分ち合うことで生涯をささげられた方でした。私も彼女の生き様から多くを学びました。103歳でいらっしゃいました。私にとっては、一つの時代が終わった、という感じです。新垣さんはNHKの番組で、三谷幸子先生のことを「声の魔術師」と紹介してくれました。新垣さんの喉を最初に開いたのが先生でした。彼女は10代の時に、一人で船に乗り、アメリカのカンザスの田舎のサライナ音楽院に留学されました。戦後はTCC(現在のTCU(東京基督教大学)の前身)で若い神学生たちに愛と忍耐をもって、熱心に教会音楽を教え続けてくださいました。彼女は高齢なのに、チャペルの前で一人立ち続け、50人程の学生は椅子に座り、聖歌隊の授業を受けます。彼女の側から、南側と西側の窓が見えるのですが、聖歌隊でみんなが歌っている途中でも、窓の夕焼けが美しい時、すかさず、「うわぁ、すばらしい」と何度も中断したことがありました。あのとき、私は、よく思ったものです。神学生なので、みんな寮生活をしているのですが、そんな寮生活をしている、50人の聖歌隊員が、週に二度も集まって、歌うなんて、日本のどこに行ってもないだろうなあとよく思ったものです。必須の授業じゃなかったのです。普通の学校ではあり得ないことですが、彼女がいたので、それができたのです。