田代まさしさん逮捕に思う

久保木牧師のblog〜ゆるりと生きる〜の中にこんなことが書かれていました。

 「田代まさしさんが、コカイン所持で逮捕されました。正直な感想は(大変申し訳ないですけど)、やっぱりか…という思い。というのも、前回の刑務所からの出所後の初会見での発言に次のようなものがあったからです。『服役中に薬物依存者のリハビリ施設「ダルク」の講習を1カ月間受けていたことを明かし、「禁断症状も現れなかった」と強調。「二度とこんなつらい思いはしたくないので、薬物をやる気はまったくありません」と語り、今後は「自分でやめられる自信がある」として、ダルクや医療機関の協力は受けずに親族のもとでリハビリを続ける考えを示した。』(中略)薬物依存から抜け出すために、ダルクや医療機関などに頼らず、「自分でやめられる自信がある」と発言しているところに田代まさしさんが薬物のコワさを知らないことを思わされ、(残念なことだけれど)また捕まることがあるかもしれない…と思わされたのです。・・・」

 同感です。私も依存症の学びをして少しは依存症の理解者になりました。何を理解したかと言うと、よく意志が弱いから抜け出せないと思っている間は、まだまだ本当のことを知っていないということを理解したのです。いろいろな依存で苦しんでいる人たちを見て、普通は彼らのことを意志が弱いと言います。しかし意志が弱いのではないのです。そうではなく、自分の意志でなおると信じているから抜け出せないのです。このからくりにひっかかると地獄の苦しみを味わうことになります。私は自分の意志の重要性を語るアナバプテスト(自分で信じ自分で信仰の道を選んでいく人たち)でありたいと思いますが、同時に、自分の意志を正常に働かせることのできない人類の持つ極限の痛みにも神は触れてくださっていると思います。今日、私は、認知の方の病床洗礼を予定しています。

 下記の12ステップは「キリスト者の生き方・成長の12ステップグル−プ(CLG12ステップ)」の内容をもう少し単純化したものです。「キリスト者の生き方・成長の12ステップグル−プ(CLG12ステップ)」のグループでは、どのステップに進んでいったとしても、いつも1ステップ目「私は自分が本当に無力であることを認めます」という、この原点に戻り、依存症の回復をはかっていくのです。



ステップ1 私は自分が本当に無力であることを認めます
ステップ2 彼だけが、わたしを強くしてくださるのです
ステップ3 私は私の意志と人生のすべてを彼に委ねます
ステップ4 強さと弱さを判別する為に棚卸しを始めます
ステップ5 私は回復途上の物語を彼と友人に知らせます
ステップ6 変な生き方を癒してもらうように準備します
ステップ7 変な生き方を癒し給えと彼に謙虚に求めます
ステップ8 心の痛みを痛みとするために表面化させます
ステップ9 できる限り人との関係の埋め合わせをします
ステップ10 棚卸しで誤りを認め、ないときは感謝します
ステップ11 お祈りしつつ、彼との関係を深めていきます
ステップ12 喜びを頂いたなら、痛む人に彼を紹介します
 彼     = ハイヤーパワー・イエスさま
 変な生き方 = 嗜癖、依存症、アディクション