ケープタウンで第3回ローザンヌ国際会議が始まっているとのこと

 「福音派」のこの宣教運動は1974年に始まったそうです。「福音派」と一言で言っても、今や「福音派」の幅について、適切に現状を説明できる人が少なくなってきているような状況です。確かに多様化しているのです。そのようななかで、ローザンヌ会議はこれからの「福音派」の方向性を探る会議として注目すべきでしょう。日本ローザンヌ委員会のHPより、7つの世界宣教のチャレンジを転載してみました。

■7つの世界宣教のチャレンジ(日本ローザンヌ委員会HPより)

 宣教と神学はひとつです。すべての神学は宣教活動に反映し、すべての宣教活動は神学的基盤に由来しなければなりません。新しい世界規模大課題には、世界規模の対話を重ねることによらなくては地球的解決策を得ることはできません。ローザンヌ運動は「全福音を、全教会が、全世界へ」という標語を掲げます。世界宣教のチャレンジには少なくとも7分野があります。

■全教会■1.新しいバランス
教会は世界にまたがるキリストの体です。次世代のキリスト教世界はどんな姿でしょうか。西洋社会統治とは違う顔をもちつつある現代の世界において、いかに新しい相互関係とバランス関係を築いて一致していくかが課題です。わゆる北から南への移行は早くまた劇的ですが、一様に起こってはいません。そのため不均衡が生じています。経済的資源、権力、施設、言語、科学技術などの新しい平衡を見いださなければなりません。

■全教会■2.教会の悔改め
第2に、全教会が純粋さ、きよさの点で罪の悔改めを迫られています。世は、キリスト者をそのメッセージの内容ではなく、そのように生きていない偽善を見抜いて軽蔑します。クリス・ライトは、聖書から離れている、自分の繁栄のみを望む、偽りの教えが放置されているなど、21世紀の教会と16世紀宗教改革前夜の教会の類似点を指摘しました。

■全福音■1.キリストの独自性
第3に、ポスト・モダンの多元主義世界におけるキリスト教の真理性主張についてです。欧米は再び福音化される可能性はあるのでしょうか。ハーバード大学新総長は就任挨拶で「大学の象徴、ベリタスの楯は神の啓示の真理性という清教徒の信念を表してきた。しかし今は違う。真理は所有できず、汗して追求し続けるものだ。大学は居心地の悪い懐疑状態にあえて徹するべきである。」と述べました。多くの大学でキリスト教団体が学生伝道の機会を奪われつつあります。キリストのみが救い主であることの表明が求められます。

■全福音■2.苦しみの神学
第4は、確固たる苦しみの神学の必要性です。貧しさやテロリズムエイズ、危機に瀕する児童など、苦しみの現実を放置しない神学です。麻薬のように働いて現実感覚を麻痺させる繁栄の神学が猛威をふるっています。そこには十字架がありません。十字架の神学が求められています。

■全世界■1.イスラムへの対応
第5に、イスラム伝道についてです。西洋社会の相対的位置低下に伴いイスラム世界が勢力を伸ばす傾向はしばらく続くでしょう。共生と伝道のための議論が待たれます。

■全世界■2.終わっていない使命
第6は、宣教活動のまだ行き届いていない分野の認識です。他宗教への宣教、心身障害者、文字でなく聞くことで学ぶ人々、都市に住む人、ディアスポラ、難民、移民、危機にいる女性や子ども、青年たちへの宣教、環境問題の取り組みなど、課題は多いのです。

■全世界■3.メディア革命の活用
第7に、世界規模のコミュニケーションや価値観に影響の大きいメディアです。否定的・破壊的なメディアの影響力を防ぎつつ、肯定的・建設的な潜在能力を見つけ開発し宣教に役立てる必要があります。これらの世界大のチャレンジに福音的な教会が共に取り組んでいくべきであろう、と考えています。