And Can It Be That I Should Gain

 そういえば、チャールズ・ウエスレーの曲をあまり選曲していなかったなあ。最近選曲したのは「主よ汝が前をば」(新聖歌34)、あの曲のメロディーラインは、英国の気品のようなものを感じさせた。クリスマスキャロルの「天には栄え」(新聖歌79)もウエスレー。「天なる喜び」(新聖歌211)もウエスレー、メロディーは異なるけれども、すばらしい二重唱の楽譜が私の書棚に眠っている、どこかで誰か歌ってくれないかなあ。また「わが魂よ」(新聖歌276)は東京時代、湊晶子先生(TCC教授、前東京女子大学学長)がチャペルの司会で、この曲を選んで、よく目に涙を浮かべて歌っておられた。彼女はチャールズ・ジョン・ウエスレー兄弟の母、スザンナを研究された。

 プロテスタントの讃美歌は、ドイツ時代の讃美歌、イギリス時代の讃美歌、そしてアメリカ時代の讃美歌というふうに分けることができると思う。いや今はアメリカという舞台を中心にして、アフリカとアジア的な讃美歌が世界に広がっている。イギリス時代の讃美歌は確かに気品があった。ただあの曲を再現するには、国教会の香りのする、立派なカテドラルと、立派なオーケストラ、パイプオルガンが必要だ。しかし実際、今の英国でこんなふうにしてカテドラル満員で賛美が毎週なされているような教会などおそらくないだろう。(この動画はそれぞれの教会の聖歌隊が合同で集まって賛美しているのであって、英国での通常の礼拝はもっと人数の少ない寂しいものだと思う。)さて、これから、私たち日本の教会は、日本としてのすばらしい賛美文化を根付かせていく必要があるんだろうなあ。今年天に召された天田繋氏(教会音楽家)は「賛美文化」という言葉をよく使われていたなあ。