家の前の中学校のスローガン

 私の家の前は中学校。朝8時25分ぐらいから、「何してんねん、はやくせえ、あと何分だぞ」と緊張感に満ちた秒読みが始まります。先生の声が響き渡り、近所に住む私たちも何か叱られているよう。先生も大変やなあと思います。一つ、ひっかかることがあります。それは中学校で一番、目立つところに、でかでかと育英会スローガンがある。

 「大人が決めたルール、大人が守らなければ、子供は守らない(育英会)」というスローガンです。事実だと思うし、良いスローガンだと思うのですが、このでかいスローガンを毎日見ているのは中学生たちと私たち。だからいつも変だと思ってしまう。「ほんまやほんまや、みんな大人たちが悪い、大人がまずちゃんとやらんとあかん」と思うだろうな。んー言葉は正しいんだけど・・・。

 私、牧師なので、キリスト教式の結婚式の聖約を思い出しました。「夫たちよ、妻を愛せよ」と言います。あれは夫たちに言っていること。「妻たちよ、夫に従え」と言います。あれは妻たちに言っていること。また「子供たちよ、両親を敬え」あれは子供たちに言っていること。「父たちよ、子供を怒らせてはならない」あれは父たちに言っていること。だから、他の対象に語っているところまで、あまり注意を向けないほうが良いんじゃないかな。なぜなら、キリスト教の最高の美徳は、自分から進んで愛します。自分から進んで従います。自分から進んで尊敬します、ということなんですから。相手側に語っているところまで注意を向けてしまうと、「あの人愛してくれない、あの人従ってくれない、あの人尊敬してくれない」ということになってしまうんじゃないかな。