一昨日の説教の中でお話しした物語

 マリオン・ヤコプセンは、「満員の座席と孤独な人々」と題する本に、ビリーという小学一年生の男の子のことを書いています。ビリーのクラスのジムという少年が、トラクターの事故でおとうさんを亡くしました。ビリーは毎日ジムのために祈ります。ある日、学校の階段を降りてきたジムとばったり会ったビリーは、何かしてやれないものかと声をかけます。「元気?」「うん元気さ」「君のお父さんが亡くなってから、ぼく、ずっと君のことを祈ってたんだよ。」ジムは立ち止まってビリーをじっと見つめていましたが、いきなり腕をつかむと、校舎の裏の方へ引っ張っていきました。そして言ったのです。「あのさ、元気だなんて、うそだよ。牛や機械のことで、ほくんちたいへんなんだ。ママはどうしていいかわかんないし。ぼくのこと祈ってくれたなんて、ちっとも知らなかったよ」たくさんの人が心の痛みをかかえていますが、私たちのほうから手を差し伸べなければ、心を開いて打ち明けてくれないのです。お世話焼きと言われようとも、イエスさまのように、犠牲的な愛で生きようとしていますか。
「仕える喜び」チャールズ・スウィンドル著 石塚八重訳より