三谷幸子先生のバックストンの思い出

 私はバックストンの流れでも何でもない。ただ恩師三谷幸子先生がバックストンのことを語られているとき、目を輝かせて語っておられた。

 「私がバックストン先生について思い出せることは、まだ小さい時であったので、多くはないが、バックストン先生が集会場にはいって来られると、会場の空気が一変したことは、その一つである。先生が『おお、兄弟姉妹よ』といとも厳かに、それでいて、何とも言い得ない温かさと平安に満ちた声で言われると同時に、会場の中に一種の霊感がただよい、霊気が肌にしんと沁み込んでくるのを、子供心に感じたことを、今も忘れることができない。子供であっただけによけい敏感に感じたのかも知れない。けれどもご家庭での先生は実にやさしい方で、小さい私をお膝に乗せてくださった事も覚えている。バックストン先生が、最後に来朝された時には、お忙しい中をさいて、わが家のお茶に来てくださった。スイスからくださった先生の最後の手紙の中に、ロマ書15章13節がしるしてあった。それによって、私は、いつもバックストン先生のお祈りを覚えて、力づけられるのである。」(上記の文章はどの雑誌に記載された文章かわからない。タイトルは「今、泣きます、後に笑います、バックストン先生と父三谷種吉の出合い」で、おそらく三谷先生からコピーして私に渡してくださったものだろう。)