- 作者: マイケル・グリーン,吉原博克
- 出版社/メーカー: 地引網出版
- 発売日: 2008/12
- メディア: 単行本
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「イエスは神と自分との関係を表すために「アッバ」という言葉を用いました。これは「お父さん」という意味の言葉であり、ユダヤ人の子供が父親に対して用いていた、親しみに満ちた、家族同士の言葉でした。神をこのように親しみを込めた言葉で呼ぶ姿は、イエス以前、イスラエルの歴史のどこを探しても見つけることができません。それは考えることさえ許されないことでした。ところが、このナザレ出身の大工は、神のことを、確信に満ちてそのように呼んでいるのです。イエスは、神に対する自分とは、父に対する息子のようなものだと言いました。そして、自分に従う者たちもまた、神のことを「アッバ」と呼んでもかまわないのだと教えたのです。これは人々にとって、あっけにとられるほどのことでした。福音というものの核心は、このアラム語の短い単語「アッバ」の中に含まれます。失敗そのものである私たち、罪人である私たち、神から遠く疎外されてしまっている私たちが、神の家族の一員となれるのであり、神を「お父さん」と呼ぶことができるというのです。神の国の中心にいるのは愛に満ちた父であり、その父が、私たちがそれに値しない者であるにもかかわらず、私たちに憐れみを与えてくださる。そして、神の家族に対して恥をかかせるだけの者である私たちを、養子にすると約束してくださっている。・・・・・」(69頁)