有田優先生語録14(1984年頃の神学校での「現代日本神学」の授業ノートより)

 有田先生は、19世紀は「正統主義」+「自由主義」+「折衷主義」の時代、20世紀は、大陸では、バルト、ブルンナ−の時代であったが、日本おいては、バルト神学が影響したが、ブルンナ−神学は哲学的で日本ではあまり奮わず、ティリッヒは哲学的・文化的であった、と述べられて後、このように言われました。

 「現代偉大な神学者は生まれていない。世界日本問わず生まれていない。神学は福音の原体験を追体験させるものでなければならぬ。観念的なものから霊的なものの追求が必要である。しかし、過去聖書以外のものが導入され神学された経例が多い。進化論、比較宗教論、他思想の影響を受けている。北森嘉蔵の「神の痛みの神学」もそのような神学である。またカルビニズム擁護のために教条神学的に書物を書く岡田稔のような学者もいる。その意味では福音主義陣営には未だ神学者は出てきていない。日本では特に教会形成のことが絡んでくるので神学一本ではない。日本でも世界でも神学者は生まれてきていない。渡辺善太先生ぐらいが世界的な神学者と言えよう。」(有田師の授業をノートしたものですので、言葉が断片的になっています。)