ノルウェーの爆弾テロ犯人

 7月22日、ノルウェーの首都オスロの官庁街で起きた爆弾テロと、南部ウトヤ島で起きた銃乱射連続テロは、死者76人に上る大惨事となりました。犯人のアンネシュ・ブレイビク容疑者(32)は、「キリスト教原理主義者」と報じられています。しかし、「キリスト教原理主義」は、決して暴力に訴えることはしません。昔、アメリカには、キリスト教原理主義キリスト教自由主義の二つの極端な潮流があった時代がありました。その頃のキリスト教原理主義の流れの多くは、今では穏健な福音主義になっています。確かに今も原理主義者と呼ばれている人たちはいますが、彼らであっても絶対に暴力に訴えることはしません。同容疑者の1,500ページに及ぶマニフェストでは、自身のことをイエス・キリストや神との個人的な関係を持たない文化的なキリスト教徒であると表現しているにもかかわらず、メディアでは同容疑者を「クリスチャンファンダメンタリスト」「キリスト教右派・過激派」などと表現して報道され続けられています。彼は一度も信仰生活、教会生活、をしていない、宗教とは異なる、彼独自の思想の持主であることがわかります。今回のことを受けて、例えば、英国国内の信仰指導者たちは、「宗教は暴力を正当化しない」と共同声明を出しています。「汝の敵を愛せよ」のイエスキリストの言葉に本気で従おうとするのが、本当のキリストの弟子なんです。