東京パプテスト教会のダイナミズム

 成長している教会を見ると、なぜか批評的な思考が働いてしまうのが牧師かもしれない。「ほんまかな? 毎週1200名も??」「牧師が外人だし、インターナショナルチャーチやからなあ」、ある種の先入観で読んでしまうのですが、少し立ち読みして、思わず買ってしまいました。宗教社会学の渡辺聡師が、ただ単に、この教会を研究対象として書いているのでなく、そこでの体験を、生き生きと物語的に描いてくれているので、行ってみたくなる、少しは参考にしてみたくなる、チャレンジしてみたくなる、そんな本でした。最近、マット・マートン選手が行っている教会だと聞いたので、それで注目したのもあったのですが・・。

 「アメリカから日本に帰ってきた私が感じ、私が注目したのは、日本社会全体を覆っている閉塞感と息苦しさを感じさせる中で、それを跳ね返すように東京バプテスト教会が急激に成長している点であった。本書を書くにあたりアメリカで学んだ定性調査の方法論は色々と役に立った。私が、本書の中で書き留めたいと願ったのは、教会の中で出会ったメンバーたちのありのままの生き様と、彼らの人生が神との出会いによってどのように変えられたかというストーリーである。(著者のあとがきより)」