有田師語録6をもう一度思い起こしながら・・・

6、「私の聖書主義は、私が死んだら終ってしまうでしょう。私の聖書主義というのは、カトリックもすべて超えたかたちのイエスさまだけ、ということです。(先生の言葉が少し寂しそうだった。神学校時代先生が勧めてくださった諸本を全部読めなかった、先生が伝えようとしたものを読み切れなかった、ことを回想している。神学校時代、カトリックの岩下壮一に関する推薦図書を熱心に読んだのはY先生ぐらいだったんじゃないかな)」

 その言葉の背景には、脳内出血をされて、先がないことを悟っておられた、ということがあったと思います。そのようななかで、この言葉はそっと副牧師の私だけに言われた言葉だったのです。ですから、この言葉は、私にとって「今となってはそれでいいんです。それでいいんです。それでいいんです。」と聞こえてきます。先生は、ご自分の神学と教会教団の現実との間にあるズレにずっと悩んでおられたように思います。

 先日、私も、超教派神学校時代の恩師M先生に自分の持つ問題意識のようなものをこぼしてみました。そうすると、M先生は、私の問題意識について、少しだけコメントしてくださった後、「先生が今日まで温めて来られたものをじっくり時間をかけて深めていってください。」とだけ言われました。やはり神学の世界にはこうゆう面があるんでしょう。