有田先生が赤線、青線を引いておられた箇所3

 「1960年5月6日、安保反対闘争や民主主義擁護運動が頂点に達していたころ、各地の教会の青年諸君が、教会はなぜ色彩をせん明にして信者を指導しないのか、教会の権威は失われたと牧師先生につめよったと聞いています。しかし私はこれは青年諸君の側に教会と政治との問題に対して理解が十分でなかったことを示していると思います。すでに申し上げましたように、教会は、救いとは何か、どうしたら私は救われるのかの問題に対しては常に権威をもって答えることができます。しかし安保問題のような具体的な政治問題に対して、権威ある答えはできませんし、する必要もありません。可能なことは牧師さんが個人の立場でこう考える、こうすべきであると言い得るのみであります。」(有田師が脳内出血された後、私の部屋まで持って来てくださった本「日本人とキリスト教」遠藤義光著 P66)