1186、相対化は、絶対化があるから必要なのだ

相対化という言葉は、絶対化という言葉があるからあるのだ。相対化は我々人間が、被造物を絶対化してしまう罪があるからどうしても必要なのだ。本来、被造物はすべて、そのままで良かった。そのままならば相対化する必要などなかった。しかし絶対化の結果、すべてが見えなくなってしまった。しかし反対に相対化していくと、見えてくるものがあるんじゃないか。相対化していくと、浮き出てくるものがあるんじゃないか。相対化していくと、「こんなところに泉があったのか」と驚くこともあるはず。だからもし批評というものが許されるならば、「あれもこれも」の領域、相対化すべき領域を開拓するための批評学をしていこう。もちろん「あれかこれか」の領域を浮き立たせるため、である。