嗜癖する社会

  十数年前に、私はこの本から強いインパクトを受けました。社会全体が依存症化しているというのです。例えば、キリスト教が「罪」と言ってきたものを、すべて現代的な依存症用語で言い換えている本ですが、私は「嗜癖する社会」を読んで、罪の実態を改めて深く知ることができたように思います。例えば「トンネル視野」って知っていますか。もちろん、キリスト教の立場から書かれてものではありませんので、受け入れがたい部分もないわけではありませんが、一般宗教構造につきまとう「宗教嗜癖」の実態にも目を向けさせられ、改めて、本当の福音は宗教嗜癖に絶対にハマらないものだと確信させられたものです。この本は、他の依存症からの解放に関する書籍と同様に、「12ステップ」のすばらしさに目を向けさせてくれます。もしクリスチャンのなかから、「私はイエスにハマりました」「教会にハマりました」、なんて言う声が聞こえてきた時、私は「その言い方は間違っている」と言いましょう。福音は宗教嗜癖じゃない、あらゆる嗜癖から解放するものです。

嗜癖する社会

嗜癖する社会