二十世紀の主要な神学者たち

 二十世紀に、二十世紀の神学を冷静に受けとめることはできなかったろう。特に、福音派の私としては、あの頃、二十世紀のこれらの神学者に近づかなくてよかった、と正直思っている。到底背負いきれない内容だったから。でも二十一世紀になった今、著者、東京神学大学学長の近藤勝彦氏のような方が、二十世紀の神学者に対して、わかりやすく批評し、それも自伝的にしてくださって、とても興味深く読むことができた。

1、私の辿った神学の歩み
2、カール・バルトとの出会いと挌闘
3、ラインホールド・ニーバーの深淵な聖書的知
4、わが青春のパウルティリッヒ、そしてその後
5、エミール・ブルンナーの人格主義とその問題
6、着想の冒険家ユルゲン・モルトマン
7、ヴォルフハルト・パネンベルクの歴史の神学
8、トレルチ研究とその後
9、伝統的でファンタスティックな神学者ファン・リューラー
10、神学の押さえどころ
11、神学を学ぼうとする人々に

 「エミール・ブルンナーの人格主義とその問題」の最後の文章
 「出会いの神学は、三位一体論によって根拠づけられなくてはならないと思うのです。そうでなければ、関係の中で他者に依存する神になってしまいます。しかし残念ながら、ブルンナーの神学には「三位一体の神」の考察が十分にあるとは思えません。出会いの神学が人格と制度についてもっている狭さも、もっと根本の三位一体論から規定されれば脱却できない問題ではなかったとも思われます。」