私とマルティン・ブーバー(1)

 マルティン・ブーバーの「我と汝」と「我とそれ」の区別に気づくことによる祝福は大きいと思います。まず、この区別に気づいたならば、すべての関係性を「我と汝」か「我とそれ」か、と分けて考えるようになります。そうすると、次に、「我と汝」の関係を「人格関係的」だと命名でき、「我とそれ」の関係を「非人格関係的」だと命名できるようになるのです。そして、この区別を認識できたクリスチャンは、神さまとの関係を「我とそれ」の関係ではなく、「我と汝」の関係であると位置づけるようになります。また、このことを受けて、「本来、キリスト教というものは『宗教』ではなく、『関係』なのである」とも言い切ることができるようにもなるのです。