サマリヤの女の人の物語(ヨハネ4章)

 今しがた、教会の祈祷会で「サマリヤの女の人の物語」(ヨハネ4章)からの説教をしました。ローマ書に書かれてある「ユダヤ人に妬みを起こさせるための異邦人の救い」ということを意識しながら「サマリヤの女の人の物語」を読むと、この箇所はやはり、ユダヤ人に妬みを起こさせるためのサマリヤ人の救い、というふうに見えてきます。ユダヤ人たちは、サマリヤ人たちのことを、神殿再建の邪魔をした民、他民族と結婚した雑婚の民、として見下して、彼らには絶対に救いはないと信じ切っていたのです。しかし主のなさることはユダヤ人たちの全く想定外のことでした。ユダヤ人である12弟子たちにとっても全くの想定外でした。まさしくユダヤ民族に妬みを持たせて、ユダヤの民の頑なな心を打ち砕くための象徴的な事件でした。

偏見に満ちた私たちはこの湖には魚はいないと言います。
でもいるところにいるのです。
偏見に満ちた私たちはこの土地は不毛の地だと言います。
でも畑は色づいているのです。